1on1マネジメント〜新しいリーダーは管理者から支援者へ
どこにでも通用するマネジャーになるためのピープルマネジメント講座『1on1マネジメント』を読んでのレビューです。
僕が特に気になったことは以下ツイートにまとめました。チームメンバーを本当の意味で動かすのは、外発的動機付けではなく、内発的動機付けだなということです。
「マネージャーは管理者・指揮官ではなく支援者でなければならない」
— ハシモト🍀キャリコン勉強中 (@210_CC_6) 2020年10月13日
ものすごく響いた。 pic.twitter.com/pWCqpQtlCw
自分の意思を持ったメンバーは自分の意思を伝えようとしても、途中でマネージャーに遮られて否定されると、マネージャーに何を話しても無駄だと諦めるようになる。それ以降、話を聞いたフリをするようになる。
— ハシモト🍀キャリコン勉強中 (@210_CC_6) 2020年10月13日
成長したり成果をあげるのは本人の内発的動機なので、主役はマネージャーではなく、チームメンバーでなければならないということ。
— ハシモト🍀キャリコン勉強中 (@210_CC_6) 2020年10月13日
そう考えると、自分のチームメンバーのことを「チャレンジ意欲がない」とか「アウトプット力がない」とか言っている人はみっともない。部下に押し付けるだけで、「自分は内発的に動機付けができない残念なリーダーです」と言ってるようなものだなぁ。
— ハシモト🍀キャリコン勉強中 (@210_CC_6) 2020年10月13日
1on1はチームメンバーとの関係性を築きながら経験学習を促すことによって成長やキャリア開発に繋げていくことと捉えることができます。
こちらの書籍は、いくつか1on1本が出版されている中でも、1on1の手法ではなく、1on1に対する必要性や考え方について理解の深まる良書であると感じました。
聴いているようで聴いていない「傾聴」
『マンガでやさしくわかるコーチング』を読みました。
「傾聴」にも種類があって、レベル1の内的傾聴では、相手の話を聴いているようで聴いていない状態。例えば、話を聴きながら、次にどういう質問をしようか考えていたり、「長いなぁ」などと思っている状態。内的傾聴をすると、相手の話を奪い取り、いつの間にか自分の話を展開しだす可能性があります。そうなると、本当に相手の話を聴いているとは言えない状態になりますね。
一方で、レベル2〜3の傾聴になると、言語的コミュニケーションのみではなく、相手の表情や声のトーンなどの非言語的コミュニケーションにも注目できるようになり、相手を俯瞰的に捉えることができるようになる。「そのとき、あなたはどう感じたんですか?」という相手の気持ちや意図にフォーカスできるようになったり、「○○という話をしていましたが、実際には△△のように見えます」というフィードバックをすることで相手自身の内省を促したりできるようになります。
チームをまとめるマネージャーとしては、自分1人が突き抜けたプレーヤーであるだけでは結果を出すことができない。チームのメンバー1人1人が前向きに仕事に向き合い、力を発揮してくれることが成果に繋がる。そのためには、正論を振りかざして指示ばかりするのではなく、チームメンバーの出来ているところを認め、人間関係をしっかり築きながら、ともに力を合わせていくことが大切ということですね。
努力が必ず実るとは限らない。努力の仕方が重要です。
仕事で上手くいかないと感じる場合、正しく努力をしているのかと、努力量が足りているのかということが見直すべき項目。
そもそも人間必ず向き不向きがあるので、不向きなことをやっていても努力は実らない。「好きの横好き」という言葉があるように、好きなものが必ずしも結果に結びつくものではないということを忘れずにいたい。
一方で、自分に向いていることをやっていたとしても、その努力量が足りていなければ結果は出ない。自分は「十分努力した」と感じていても、結果を出している人の基準で「全然努力したうちに入らない」という努力量だったとしたら、結果が出なくて当たり前なのだ。
また、仕事選びは「できるorできない」と「好きor嫌い」の2軸で考えられるが、基本的には「できる」仕事に取り組む方がチャンスは広がる。ただし、「できる」というのは自分自身の主観ではなく、周りから見てできると思われていることが大切。嫌いなものでも、できることを続けて成果を出していけば、後から好きなことができるチャンスが巡ってくるもの。
建設的な話し合いには必ず「共感」が必要
岡田斗司夫さんの『頭の回転が速い人の話し方』で学んだこと。
頭の良い人=頭の回転が速い人ではない。
頭の回転と共感力はトレードオフの関係にあるので、頭の回転を上げると必ず共感力は落ちる。頭の回転を下げると共感力は上がる。両立はあり得ない。
本当に頭の良い人は、その場の空気、相手の盛り上がり、自分の立場から、頭の回転速度と共感力をコントロールできる人なのだ。
考えの異なる相手と会話をする場合、建設的な話し合いには、まず共感が欠かせない。
その際に、相手に勝ちたい、相手を負かせたいと思ってはいけない。
最初の共感時点では、100%相手の言うことを受け入れても良い。
その上で、お互いに(複数人なら誰もが)負けない答えを作るのが良い。
共感をすっ飛ばして、相手を負かそうとすれば、たとえその場で勝利したとしても、相手を動かすことはできない。必ず反発する。
共感という土台があってこそ、初めてお互いに納得できる落とし所を見つけることができるのだ。
がむしゃらな努力を見直して、努力が結果につながる仕組みをつくろう
無印良品の社長が書いた書籍です。
個人の経験や勘といった感覚的なものではなく、組織として成果に結びつく仕事の仕組みについてまとめられている本でした。
- 仕事に向かう姿勢として、ただ漠然と「頑張ります」だけでは最悪。頑張っても結果が出せなければプロとしては力不足。一生懸命やっても結果が出なければ努力の方法の見直しが必要。「一見必要な努力」に目を奪われがむしゃらに頑張る前に、本当にこの努力の方法でいいのかをしっかり自問するべき。
- 個人の経験や勘に頼っていた仕事をデータとして蓄積し、「努力をすれば結果をだせる仕組み」を構築することが生産性の向上や、効率化につながる。
- 仕事は都度変化するものなので、マニュアルも毎月アップデートをするべし。
- マニュアルは手順だけではなく、「何、なぜ、いつ、誰が」を入れる。それによって、イレギュラーがあっても指示待ちではなく自分自身で判断できるようになる。
- 決まったことを決まった通り、キチンとやる。経験と勘を排除する。
マニュアルは仕事の手順を確認するものと認識していたので、目的も明文化するという点が発見でした。
また、マニュアルを作成することを通して、プロセスの抜け落ちや、個人のセンスに任せている部分がないかなどを俯瞰的に考えることにもなるということですね。
戦略よりも実行力。頭でっかちになるな!
戦略一流の企業よりも実行力一流の方が強い。会議を積み重ね、たとえ一流の戦略ができたとしても、それを実行しない限り、何の成果にもならない。
戦略に多少間違いがあったとしても、実行力があれば後で取り戻せるので、まずは決断して一歩踏み出して、実行することがとても大事。
無駄な会議をやめたり、ペーパーレス環境を促進して無駄な作業を省略すること、無駄を徹底的に無くすことで、スピード感のある組織を作っていきたいものです。
仕事の「自分がいなければ回らない」は幻想
部下に仕事を任せるとクオリティが下がるからといって、仕事を人に任せられない、仕事を抱え込む人も多いと思います。
また、「自分がいなければいけない=自分は重要な存在」という承認欲求を満たしたいがゆえに、自ら「自分がいないと回らない」仕組みを無意識に作り出す人もいます。
でも、「自分がいないと回らない」はそうそう無い。実際には「自分がいなくても仕事はうまくいく」であり、「仕事は任せた方がうまくいく」である。それが会社である。
でなければ、いつまで経っても自分が忙しいままで、それ以上の業務拡大は管理しきれず期待ができません。急なイレギュラー対応にも反応できません。マネージャーはプレイングマネージャーではなく、部下に仕事を任せるべき。
仕事を任せるから部下は成長するのであって、成長してから仕事を任せるのではない。部下が成長するまでは一時的に時間もコストもかかるけれど、それは未来のより安定した仕事、大きな仕事のための投資だと思った方がいい。
マネージャーの仕事はプレーヤーになることではなくて、部下に仕事を振って成長機会を確保すること、失敗したときのケツを拭くこと、前向きに働ける環境を作ること。マネージャーが忙しくしている状態は好ましい状態ではない。
自分がいなくても、1週間旅行してても、現場が困ることのないように、部下にはどんどん権限委譲しておくことが大切ですね。